どうも、自称【退職コーディネーター】で元労務担当のhiroshiです。
さて、2024年5月9日に厚生労働省から発表された3月分の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価変動を加味した実質賃金は、前年同月より2・5%減り、24カ月連続のマイナスとなりました。
このことについて、元労務担当の私が実質労働賃金がマイナスになる理由を解説します。
実質賃金とは
簡単に言うと、実際に自分で自由に使えるお金(賃金)という事です。
詳しく言うと、まず一般サラリーマンの給与で考えると、自分の満額給与と実際に振り込まれる賃金は、実際に振り込まれる金額の方が少ないはずです。
それは、税金(所得税・住民税など)や社会保険料(ほぼ税金と同じ)などが天引きされている給与だからです。
これが俗にいう「手取り」の給与です。
ここからさらに毎月勤労統計調査では物価指数も含まれているので、消費税や物価変動率と言うのものが実質賃金の計算に組み込まれます。
つまり、この実質賃金と言うのは満額給与に対して、天引きされる税金、社会保険料、消費税、物価変動率などを差し引いた賃金の割合を表しています。
そして、この24ヶ月連続でマイナスと言うのは本当に恐ろしくて、2年前の4月から下がり続けて居るという事です。
各家庭レベルで考えると、2年前より生活が厳しいとか、欲しいものを我慢しなくてはいけなくなったとか、海外旅行を辞めて安い国内旅行に切り替えたとか、色んな影響や実感が出ているはずです。
実質賃金のマイナス成長の理由
1つずつ説明していくと、めちゃくちゃ長くなるのでなるべく簡単に説明します。
まず、実際に企業が労働者に払っている賃金は少しだけ上がっています。
じゃあ、なぜ実質賃金は下がるのかと言うと、負担増えたからです。
大きな原因の1つは税金です。
賃金が増えれば負担が増えるもので言うと、所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料など、給与から天引きされる税金はほぼすべて増額します。
これは累進課税なので、収入が増えれば増えるほど税金が高くなる仕組みです。
ただ給与が増えれば、手取り給与も増えるはずなのですが、そこからさらに消費税や物価上昇があれば、さらに実質賃金を圧迫します。
専門家の見方によると、給与のベースアップなどで賃金は増えたものの、物価上昇がそれを上回っていることが原因のようです。
物価上昇の主な原因
戦争と円安です。
これは、輸入品が多い日本ならではの現象だと思います。
例えば、分かりやすいところでロシアのウクライナ侵攻で日本に影響があったものと言えば、小麦です。
ウクライナ産の安い小麦の日本への輸入が途絶えたため、小麦の価格は急上昇しました。
小麦はパンや麺類、焼き菓子などなど、様々な加工食品に使われますので、多くの商品が値上がりしました。
また、戦争により原油価格も高騰したため、輸送費が上がりました。
さらに人材不足もあって輸送費は上がる一方なのですが、この輸送費はそのまま様々な商品に上乗せされ、商品の値上がりが起こります。
円安に関しては、アメリカの金利を上げるという政策が影響していると言われており、日本との金利差により円売りドル買いが進み、急激な円安へと進んでいます。
因みに、アメリカは日本のバブル崩壊を教訓に経済がデフレに向かないようにしたため、インフレが起こっています。
そうすると当然、お金の価値が下がってしまうので、金利を上げる政策を取らなければどんどんお金の価値が下がってしまい、造幣が追い付かなくなります。
円安が進めば、輸入品はさらに高くなります。
つまり、輸入品が多い日本では物価上昇の原因になります。
円安でもメリットはあります。
それは輸出業と外国人観光客が増えるという事です。
日本の物価上昇について
こうした諸外国からの影響での物価上昇(インフレ)はデフレが続いた日本には悪影響しかないです。
通常インフレは、好景気の時に起こる物価上昇のことで、給与や実質賃金が先に上がっていきますので、物価が高騰してもそれ以上に所得が増えているはずなので良い循環が生まれます。
しかし、日本経済はデフレスパイラルが続いていたので、スタグネーション(経済停滞)が起こっている状態です。
この30年間日本人の給与がほとんど上がっていないのがその証拠ですね。
つまり、日本の今の状態を正しく表現すると、スタグフレーションの状態です。
スタグフレーションについては下記で詳しく説明します。
実質賃金はいくら減る?
では実際にいくら減るのか計算してみたいのですが、実質賃金の伸び率が前年同月比で2.5%なので、下表を基に基準日を設定し、そこからどのくらい減るのかを計算してみます。
2022年1月か2月に丁度0%があるので、2022年3月を基準日に考えていくと、2023年3月でマイナス2%、そして今回マイナス2.5%なので、2022年3月から実質賃金はマイナス4.45%と考えられます。
つまり、2年間で約マイナス4.5%分の実質賃金が減っていると仮定して計算します。
当然、直接比較したわけでは無いので誤差はあると思ますがおおよその数字としてとらえてください。
という事で、これらの数字で実際の計算をしてみましょう。
そこへ実質賃金の伸び率マイナス4.5%を入れると21万4875円です。
つまり、2年前と比べると1万125円減少したことになります。
そして、これは月額だという事を忘れてはいけません。
年間にすると約12万円もの賃金が手元から奪われるという感覚になります。
例えば、各自治体で違いはありますが学費免除や子供の保険料補助、保育園の食費免除などなどです。
実質賃金をプラス成長させる方法とは
それは減税です。
こんなの小学生でもわかります。
というか、今できる方法はこれしかありません。
ちょうど24ヶ月前、2年前と言うのは、ロシアがウクライナに攻め込んだ時期だったでしょうか。
この頃から、輸入品の価格が上昇を続け、それに加えて円安が進行しています。
その為、日本人の実質賃金は減り続けています。
こんな世界情勢の中で日本は政治で解決できるものが、唯一減税なのです。
明らかに、実質賃金を圧迫しているのが、物価上昇なのが2年も前から分かっていながら、この唯一対策できる減税をやらない自民党政権、むしろ増税したけど…。
特にすぐに結果を出せる消費税を一時的にでも廃止、あるいは大幅な消費税減税はすぐにやるべきでした。
自民党政権はバカの集まりです。
小学生でも理解できるような対策をやらないのですから、意味が解りません。
自民党は日本人を殺す気なんでしょう。
ロシアや中国と言った社会主義国家なら仕方ないかも知れませんが、日本は民主主義国家です。
こんな誰でもわかる対策をしない自民党をこのままにしておいていいはずがないと思いませんか?
岸田文雄内閣総理大臣は、経済対策を最優先でやると言っておきながら、実質賃金は下がる一方なのに対策しないばかりか、増税する始末。
税金増やして給付を増やすという方法は、良い政治をやっているようにも見えますが、実際には日本人を滅亡に導く失策なんだという事に気づいてすらいません。
どういうことかと言うと、現在の構図からすると収入の多い人からより多くの税金を取って、収入の少ない人に給付するというやり方だと、そのうち収入の高い人は海外に国籍を移します。
特に経営者は海外の税金の安いところに会社を置いて、日本に納税しなくなるという現象も起こる可能性があります。
そういった人たちが増えれば、日本の税収が下がり、さらに増税しなくてはいけなくなります。
そして、また収入の少ない人に給付というような形でやって行けば、少子高齢化も相まって、納税者がどんどん減っていく構図が生まれてしまいます。
最終的に日本人は消滅します。
本当に日本人のことを考えて政治をするなら、こんなことするはずがないですよね?
本当にやらなければいけないことは、一所懸命働いた人が自由に使えるお金を増やすことです。
そうすることで、経済も回り、お金が動き、税収も増えるという仕組みを作らなければいけないのです。
その仕組みを作るにあたってやらなければいけないことが、日本の高すぎる税金を減らす減税なのです。
自民党は消費税の増税も考えているようなアホ集団なので、自民党には何も期待しない方が良いです。
税金増やして収入の少ない人に給付がダメな理由その②
この方法は、年金受給世帯など一部の人には恩恵があります。
しかし、この方法をやると税金で集めた金額をそのまま分配することが出来ないからです。
どういうことかと言うと、一旦税金で集めたお金は再度国民の元に届ける(給付する)のに手数料や手間賃がかかって、満額還元できないからです。
つまり、その手数料だったり手間賃の分は完全に無駄になるわけです。
なら、最初から税金を取らなきゃ節約になるよねって話です。
税金は、国民みんなのお金なので、本当に必要なものに使われるべきであって無駄に使っていいわけがないです。
実質賃金の今後の見通し
日本の現在の状態はスタグフレーションに突入しています。
スタグフレーションとは
スタグネーションとインフレーションを合わせた造語で、日本語で言うと経済停滞と物価上昇(インフレ)が同時に起こる最悪な状態です。
一方では日本の株価が上昇していて、バブル景気時代の過去最高値を更新しているので、景気が良いのかなと錯覚しますよね。
しかしこれは、昔の日本と同じ構造で上昇しているわけでは無いので、現在の日本の景気に与える影響は極小です。
理由は、海外投資家が増えているからです。
昔は、株主が日本の銀行とかだったのに対して、現在は海外投資家が増えている状態という事は、株主への配当金が海外に流れてしまっているということになります。
昔はこれが日本の銀行に入っていたわけですから、銀行も今よりどんどん貸して、預金にも高金利で還元できたわけです。
それが無くなったので、現在の日本の銀行への貯金は超低金利でほぼ0に近いですよね。
つまり、株価が上昇していても経済停滞(スタグネーション)が起きている状態です。
この経済停滞の原因は日本の政治家が30年間続けたデフレ政策です。
バフる崩壊後の政策ですが、最大の失敗です。
デフレは、インフレの逆ですから、物の価値が下がってお金の価値が上がっている状態です。
話を戻しますが、このスタグフレーションが進んでいくとどうなるか、想像してください。
実質賃金は増えないむしろ減るのに、物価上昇が起きるのですよ。
この状態で日本政府で対策できる事は1つしか無くて、それは減税です。
かと言って、民主党政権時代に誰かがやった「事業仕分け」で無駄を省くとか、そんな時間のかかることをやっていたら、手遅れになります。
これは、財務省の評価項目に増税をしたら昇進みたいな感じのものがあって、消費税を8%から10%に引き上げた人が今の財務省トップである事務次官に出世しているという事ですが、真実かどうかは定かではありませんが、財務省は本当にやっていそうです。
と思ってください。
自民党に経済対策は出来ません。
因みに、財務省に逆らえない政党も同様です。
hiroshi調べによると、財務省の洗脳を受けいてない政党は「れいわ新撰組」しかないらしいです。
それと、個人的にはNHK党も洗脳はされていないと思いますが、減税の政策を打てるほどの議席数がありませんし、内紛で国政政党を奪われてしまっている状態なので、次期選挙で躍進できるかどうか不安があります。
国民が苦しいという時に、思い切った減税が出来ないのは、政治が腐っているせいです。
つまり、実質賃金の今後の見通しは自民党政権や財務省に逆らえない政治家が政権を取る限り、地獄への片道切符だと思ってあきらめてください。
日本人は平和ボケしすぎて、投票に行かない人が有権者の5割くらいいるので仕方ないですね。
日本にいる限りこれは続くので、日本から脱出できない我々低所得者の未来は地獄です。
実質賃金と退職にまつわる関係性
退職する人が少なすぎるから実質賃金が上がらないのです。
政治以外の個人で実質賃金を上げる方法は、転職による収入アップか副業による収入アップです。
実はこのどちらも退職が大きく関わっています。
転職の場合
今よりも多くの人が転職をし始めたらどうなるか想像してください。
企業側からしてみれば、優秀な人材を確保したいならば、給与を上げるなり労働者の環境改善をしなければいけないくなります。
その結果、競合他社に優秀な人材が流れることを恐れて、給与や福利厚生をドンドンよくしていくという流れが生まれます。
転職者が増えるので労働条件の良い企業ほど競争倍率が高くなり、一見するとデメリットのようにも思えますが、色んな企業が給与水準を上げてくるので、結果的には転職により収入が増える確率が高くなります。
副業の場合
従業員の8割が副業をやり始めたらどうなるか想像してみてください。
まず考えられるのは、副業と本業の収入の逆転現象が起こる人が増えます。
副業でやっていたものを本業にするとき、ほとんどの場合は労働者から経営者側に変わり、結果として本業だった労働を辞める、つまり退職します。
企業側からすれば、起業できるような人材が辞めてしまうわけなので、より高水準の待遇を用意するとか、新しく優秀な人材を確保するため募集をかけなければいけなくなります。
優秀な人材を確保しようと思えば、給与を上げていくしか方法がありません。
因みに、副業を禁止するというのは現代の時代の流れ的にも、労働者の権利的にも、やってはいけない悪手です。
その他
実は、企業側の労働者解雇が難しすぎる日本の法律の建付けにも問題はあります。
これは、経営する上で採用したけどいろんな理由で不必要と思われる人材を辞めさせることが難しいことによって、その企業は無駄な出費をいつまでも抱えなければいけなくなります。
そうなると、優秀な人材への好待遇や、新しい人材の確保などにお金を使えずに、賃金を増やせないという悪循環に陥ります。
その上、不要な人材を抱え込んでいるので、経営状態もあまり好転しません。
つまり、今よりも少しだけ解雇しやすい環境を作る必要も考えられます。
【まとめ】実質賃金いくら減る?
実質賃金は収入などにより違いますが、月額1万円前後減少するようです。
日本の実質賃金が増えないのは、税金が高いままだからです。
政治が悪いことは明白で、このままいけば日本人は半世紀後には消滅しているかもしれませんね。
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