どうも、自称【退職コーディネーター】で元労務担当のhiroshiです。
このブログでは、退職に特化して情報をお届けしております。
退職理由なんてあまり深く考えてないという人は多いのではないでしょうか。
実際に私も最初に退職するときは若いのもあって、何も考えずに決行してしまいました。
それもそのはず最初の転職はコネ入社でしたので、正直、退職理由なんてどうでもよかったんです。
しかし、さすがに最後に退職した際には、しっかりと理由を作って退職すればよかったと後悔しています。
そんな後悔をしないためにも、なぜ退職理由が重要なのか知ってもらいたいと思います。
退職理由が必要な3つの場面
退職届又は退職願に書く、離職票に記載、転職活動での面接の3つです。
これらはそれぞれで同じ理由になる必要はありません。
しかし、退職届などに書かれた退職理由の分類は「自己都合」「会社都合」の2種類しかなく、それがそのまま離職票には記載されることになります。
つまり、これはそのまま失業給付の受け取り条件に直結します。
転職活動での退職理由あるいは離職理由というのは、それぞれ転職先に利益をもたらす可能性のある理由が求められます。
自己都合で退職したなら尚更、転職先の企業はその理由次第では合否に直結します。
会社都合でも、しっかりと自分が解雇された理由を知っているのかいないのかでは、転職先の企業にとっても大きな違いになるでしょう。
退職理由で決まる失業給付
日本の雇用保険制度でおかしいと思うのは、退職理由で失業給付の受け取り方が変わるという点です。
サラリーマンは誰しも雇用保険の支払いをしているのに、自己都合か会社都合かで分けるというのはあまりにも理不尽ですよね。
失業給付を受け取るには
という条件があります。
ただし、会社都合や自己都合でも正当な理由があった方はその期間が半分(1年間で通算6ヶ月以上)に軽減されます。
この条件までは私もわかりますが、納得できないのはそこからの受給制限期間についてです。
ここからは、自己都合と会社都合で変わるので、説明していきます。
自己都合
俗にいう「一身上の都合」というのが、自己都合に分類されますが、その中でも2種類に分類されます。
1つは転職する場合や起業する場合などは完全なる自己都合退職です。
この場合は、離職票をもってハローワークで申請すると7日間の待機期間終了後に約2ヶ月間の受給制限を経て、やっと1回目の失業給付を受けることができます。
この失業給付を受け取る前に就職が決まった場合でも「再就職手当」というものをもらえる場合がありますので、必ず確認しておいた方が良いです。
再就職手当についての計算は、こちら↓の記事で例を紹介しています。↓
もう1つは、正当な理由がある場合の自己都合退職です。
主に次のような場合です。
・身内の介護
・配偶者の転勤
・妊娠、出産、育児など
この正当な理由というのがある場合は、失業給付の受給制限期間は約1ヶ月に短縮されます。
退職後の流れについては、こちら↓の記事で紹介しています。↓
これは余談になりますが、会社側は何かと理由をつけて「自己都合」の退職にしてきます。
下記で紹介するのですが、実は会社都合になるパターンがいくつもあるので、それを会社側は退職者には知られずに、自己都合の退職にしようとしてきます。
これは、いろいろな助成や優遇を受けるために必要な要件の中に、「会社都合退職が無いこと」という項目があるからなんです。
会社都合
大きく分けると2種類で、会社側が解雇した場合と、会社側が労働条件を変えてきたり、法律・倫理違反をしている場合などの退職(自己都合に近い退職)です。
詳しく紹介すると意外とたくさんあります。
・倒産
・整理解雇(懲戒を除く)
・事業所が廃止・縮小された
・事業所の休業が3ヶ月以上続いた
・事業所の移転で通勤が難しくなった
・いやがらせ・ハラスメントがあった
・妊娠や出産を理由に不当な扱いを受けた
・雇用契約の更新を希望したが叶わなかった
・当初提示された労働条件と実際の労働条件が大きく異なった
・賃金がもともと支払われていた金額の85%未満に減った
・賃金の3分の1を超える金額が期日までに振り込まれなかった
・離職前半年以内に時間外労働が長時間におよぶ月があった(3ヶ月連続45時間以上など)、など
「自己都合に近い退職」と表現していますが、これは会社都合退職になります。
こういう表現をしたのには意味があって、退職理由がこれらの理由の時は、会社都合にしなければいけないところを、会社側は「自己都合」だと主張してきます。
ブラック企業は特にこれを主張します。
私が最後に退職した時もパワハラや長時間の時間外労働があったので、会社都合の可能性が高かったんです。
因みに、私の場合は心の病も発症しかけていたので、休職を選択するべきでした。↓
上記でも触れたように、会社側は「自己都合」で退職してもらった方が良いからです。
この「自己都合に近い退職」をしようとしている人は、気を付けてください。
この場合、退職届の理由欄には、「一身上の都合」とは書かずに、しっかりと会社都合で辞めるという理由を書きましょう。
退職理由の見せ方が重要な面接対策
自己都合
自己都合でも、病気や怪我などの理由の場合は治してからなので、それ以外の退職で考えます。
例を示すのは難しいですが、重要なのは何を変えたくて転職したかということです。
ただ、働く環境を変えたいというのはまさに自己都合なので、その本音はひた隠しにして、転職理由・退職理由にしていくことが求められます。
面接官の中には、ひたすら本音を引き出そうとしてくる人もいます。
そこで、どれだけ本音の部分を上手く前向きな形で説明できるかによって、転職先企業の採用担当を説得できるかが決まります。
つまり、自分を売り込む営業マンである必要があります。
ただ、売り込みすぎても違和感を与えてしまうので、数字を使って証拠を並べていく方法が一番効果的でしょうか。
私はここで失敗していたので、成功例を紹介できませんが、退職理由が次の転職先ではこういう理由で解消されて、こんなことで貢献できるということを伝えられれば、おのずとうまく行くのではないかと考えています。
ただし、転職先の企業研究がおろそかでは、的外れな話になってしまうので、そこは面接に行く前にじっくりと作り込みましょう。
会社都合
会社都合の退職でも、細かく分けると4種類です。
・整理解雇
・会社側が条件を変えたことによる退職
・会社側の法律や倫理違反による退職
補足ですが、懲戒解雇は会社都合では無く、「懲戒解雇」と分類されますので、ここでの紹介はありません。
倒産した場合はどうしようもないです。
役員や取締役などではない限り、あなたに責任はありません。
会社側が条件を変えた時も責任は会社側です。
同様に、会社側の法律違反や倫理違反(パワハラなど)の場合もあなたには責任が無いです。
ただし、転職活動では志望理由などの面接対策は必要です。
退職理由をどうにかする必要があるのは、それ以外の整理解雇の場合です。
ただの整理解雇だったとしても、なぜ自分が対象になってしまったのかということを理解しているかどうかなどです。
これは、面接対策をする上で、自己分析の一部でもあります。
例えば、倒産寸前の会社で整理解雇だったして、次のように自分なりに退職理由を構築したとします。
あるいは、実際に会社の上司からそう言われて解雇されたとしましょう。
①ならば「能力はあったけど、その会社の売り上げ規模では費用対効果を発揮できなかった」という可能性を含んでいますので、転職先の事業規模なら貢献できるかもしれないですよね。
これを上手く志望理由と組み合わせられるように、転職理由とすれば良い印象を与えられるのではないでしょうか。
②は採用したけど育成に手が回らず、ほぼ第2新卒に近いかもということですね。
それならば、今自分が転職先企業で貢献できることが明確にしやすいかも知れませんよね。
その会社で学んだこと、これからの自分に必要な事、転職先企業で貢献できることを切り分けて考えれば、面接対策に必要なことが分かってくると思います。
おそらく、現時点では転職先で貢献できることは少ないことが予想されますので、それを何でどうやって補って貢献していくかという所が一番大事です。
このように、自分が勤めていた会社がどうして整理解雇の対象として自分を選んだのか、客観的に分析する必要があります。
そこから、整理解雇された自分をどれだけポジティブ変換できるかがカギとなります。
転職先の企業は、整理解雇という事実を客観的に自己分析できているかを見ています。
つまり、「整理解雇だったなら仕方ないですよね」とか「自分は整理解雇されてかわいそうだよね」というような、自虐マインドでは転職活動がうまく行くことは無いでしょう。
【まとめ】退職理由の重要な役割は失業給付と面接対策の2つ!
退職理由が必要な場面は、退職届や退職願、離職票、転職活動の面接です。
その役割は、退職届などは離職票に記入するためで、離職票では失業給付の受給要件になります。
面接対策での退職理由は、転職先企業に合わせて、嘘のない範囲でしっかり作り込みましょう。
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