【退職前準備】未払い給与・残業代やサービス残業を証明する方法

どうも、自称【退職コーディネーター】で元労務担当のhiroshiです。
このブログでは、退職に特化して情報をお届けしております。

今回は私も実際に行った、未払い給与の請求です。
これは、自分に未払い給与があるのかないのかわからないという人も多いかと思います。
それをどうやって見つければいいのかや、どんな証拠を集めればいいのかを実体験を基に紹介します。

また、未払い給与の請求権には時効(3年)があるので、なるべく早めに準備した方が良いです。
出来れば、全部を取り戻したいですので、退職前に請求した方が良いですが、それだと働きづらくなるので、最低でも退職前には準備しておきたいですね。

サービス残業を証明する方法

サービス残業とは、

残業代が正しく支払われていない残業のこと

一般的には定時にタイムカードに打刻させてその後、残業させることです。
また、仕事を自宅に持ち帰らせて仕事をさせるなどして、表面上は残業が無いように見せかけることも該当します。

さらには、支払う残業代に上限を設ける、本来なら1分単位で支払うべき残業代の端数を切り捨てるといったケースもそうです。
さらにさらに残業代の支給の必要がない、いわゆる「名ばかり管理職」にしてしまうというケースもあります。

つまりは、未払いの残業代があるという人の残業はすべてサービス残業と言ってもいいでしょう。
これは、証拠を積み上げていくことで証明することができます。

ただし、サービス残業を証明して請求するには、それに気づいて見つけることがすべてです。
気づかなければ、泣き寝入りです。
面倒なら、弁護士や退職代行サービスに依頼するという方法もあります。

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未払い給与の見つけ方

多いのは、残業代隠し、つまりサービス残業なので、その見つけ方を紹介します。
まあ、給与の全部が支払われていなければ、それは明らかなので・・・・・・。

基本的には、 労働基準法における法定労働時間は「1日8時間、1週40時間以内」ですが、これを超えて残業させる場合は、36協定という労使協定が必要になります。
これがない残業はすべて違法残業です。

見てほしいのは、

・就業規則
・労働契約書
・36協定
・勤怠管理方法
・給与明細

です。

後は、自分の働き方や役職です。
残業代が支給されないケースは限られていて、管理職(事実上の労働者は除く)で働いている場合です。

見つけ方は、これらを法律と照らし合わせていくという作業です。
結構面倒ですが、何年も働いていて、残業代に疑問があるならば、一度しっかりと調べた方が良いです。

 

未払い残業代

未払い給与の中でも対象人数が最も多いと思われる、いわゆるサービス残業と言われるものです。
実際に統計を取ったわけでは無いので、最も多いというのは言い過ぎかもしれません。
しかし理由はあって、ほとんどの人は自分に未払い残業代があることにすら気づかず退職しているだろうからです。

実際の未払い残業の例

実際に私が働いていた企業での残業代隠しの例を紹介します。
結果から言うと、残業代は1円も支払われていませんでした。

これに入社した時は気づいていませんでした。
気づいたきっかけは、退職した社員が未払い残業代を請求したという噂や、競業他社の営業マンの残業代訴訟などがあったからなんです。

私の居た会社では、営業職だけ出退勤のタイムカードは出勤だけ押します。
理由は裁量労働制だからということでした。

営業社員は100人以上いましたが、あまりそれを疑問に思う人はいなかったのでしょうね。
普通なら、会社側は従業員の労働時間を把握する義務があるので、退勤も押します。

そして、給与明細です。
残業代という区分はありますが、いつも空欄です。
そして、基本給の項目はあるけど、固定残業手当の項目はありませんでした。

営業手当というのは支給されていましたが、これが固定残業手当に当たるようなことは就業規則か労働契約書にありましたが、肝心の金額が明記されていませんでした。

因みに、私の役職は主任でしたが、事実上は平社員と同じ扱いです。
この会社は、管理職であるはずの部長クラスの役職でも、事実上の労働者に当たるような仕事をしていました。

実際には、裁量労働制ではありませんでした。
出勤時間も決まっていれば、1日に合計で5回もの報告義務がありました。
最後の報告は夜8時~9時で、出勤が朝9時出勤なので、残業することが前提の時間割になっています。

しかも、社用携帯のGPSで居場所まで把握されていました。
そう、完全に営業社員に裁量なんてありませんでした。
さすがに36協定はあったと記憶しています。

結果的に、これらを踏まえて固定残業代は給与に含まれていなかったので、残業した分すべてが未払いとなっていたことが発覚しました。

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ここから解説↓

営業系の職種に多いのが裁量労働制を悪用した残業代のカットです。

営業職でも完全に裁量が認められていて、営業手法や決められた時間の枠で自由に労働する場合はこれに当てはまります。
しかし、ほとんどの営業職は当てはまらず、限られた専門職や管理職のみです。
出退勤の時間的な拘束があれば、裁量が認められていないのと同じです。

実際に数年前に起こった裁量労働制を巡って、不動産仲介の営業マンが起こした訴訟で労働者側の勝訴となり、裁量労働制が否定され、残業代が支払われました。
それを受けて、不動産仲介大手の東急リバブル三井のリハウスなどが続々と残業代を支給するように給与体系を変えました

また、「みなし残業手当(固定残業手当)」は基本給と残業代が明確に区別されている必要があります。
固定残業の時間数も就業規則や労働契約書などで明記しておく必要があります。
それを超えた部分に関しても残業代を支給しなければいけません。

そして、実はこの「みなし残業手当」というのは経営者側にとってメリットはありません。
例えば、月の固定残業手当20時間分3万円だとしましょう。
この場合、残業時間が20時間を超えなくてもこの3万円は支給しなければいけません。

因みに、令和4年度の東京の最低時給で20時間残業すると式はこうなります。

時給1072円×20時間×1.25=26,800円

つまり、この「みなし残業手当(固定残業手当)」は、残業代隠しをするためのダミーなんです。
少しでも残業代を払っていることにすれば、労働者にはわからないと経営者側は思っています。

経営者側からすると、なるべく人件費を削りたいという気持ちから、残業代隠しに手を染め、法令違反するケースが多く、そのほとんどは中小企業と考えられます。
まあ理由は簡単で、日本に存在する企業のほとんどが中小企業だからです。
因みに、日本における中小企業の割合は99.7%です。

逆に、上場企業や大企業はしっかりと法令順守しなければ、残業代を支払うよりも大きな痛手を負う為、残業代隠しはやりません。

 

裁量労働制とは

労働時間と成果・業績が必ずしも連動しない職種において適用され、あらかじめ労使間で定めた時間分を労働時間とみなして賃金を払う形態です。
実施する場合には労使協定を締結する必要があります。

また、労働基準法の定めるみなし労働時間制のひとつとして位置づけられています。
この制度が適用された場合、労働者は実際の労働時間とは関係なく、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなされます。
業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務に適用できます。

例えば、

8時から22時の間で8時間、それを週5日働いたことにしますという労働方法です。
この場合、8時~17時(休憩1時間)で働いでもいいし、10時~19時でも13時~22時でも、8時~22時の時間帯のどこかで8時間働けばいいわけです。

しかし、裁量労働制の場合でも時間外労働や深夜労働・休日労働があるならば、その時間外労働手当(残業代)は支払われなければいけません。
つまり、36協定が必要な時間を働いているなら、裁量労働制でも残業代は支給しなければいけないということになります。
その為、会社側としては労働時間の管理が難しくなります。

未払い給与の証拠集め

一番重要なのは、実際に働いた時間の証拠を残すことです。
それと、未払いだということを証明するためには、給与明細は必須です。

残業した時間の証拠

通常であればタイムカードなどに毎出退勤時間を記録するはずなので、月末(給与の締め日)などにそれをコピーしておきましょう。

また、会社のパソコンから出退勤時に自分のケータイにメールしておくなどし、会社に居た時間が分かるようにしておくと良いでしょう。
それができなかったとすれば、手帳などに出退勤の時間をメモしておくだけでも、証拠になり得るようです。

とにかく、何時から何時まで働いたということが分かるように、証拠を集める、残すということです。

因みに私の場合は、会社携帯のGPSで監視されていたので、逆にそれを利用しました。
GPSの管理画面は社員も確認することができ、場所と時間がセットになっていたので、出勤日数分を印刷しておきました。
大量だったので、私の場合は会社のカギのかかる机の引き出しにしまっておきましたが、自宅で保管したほうが良いと思います。

 

労働形態の証拠

これは、実際の働き方を法律に照らし合わせて、それに見合った証拠を集めます。

例えば、裁量労働制の場合は労使協定が必要なので、それが無ければ裁量労働制は成立しません。
この労使協定は、入社時に署名を求められることがほとんどです。
これにサインした覚えがなければ、裁量労働制はではないということなので、管理職でないなら残業代は支給されなければいけません。

入社時の書類を無くしてしまって、労使協定を結んだかどうかわからない場合でも、実際の労働に裁量が認められていなければ、裁量労働制は破綻します。
会社からどんな指示があって、時間的なルールが設けられているのであれば、その証拠を積み上げていけばいいだけです。

また、裁量労働制の場合でも時間外労働や深夜労働・休日労働がある場合は36協定を締結する必要があり、その分の残業代は支払わなければいけません。

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【まとめ】未払い給与・残業代やサービス残業を証明する方法

未払い給与のほとんどは残業代で、その正体はサービス残業です。
まずは、その存在に気付くところがスタートです。

これらを証明するためには、証拠集めが必要です。
タイムカードや勤怠記録簿、就業規則、労働契約書、36協定、給与明細、勤怠管理方法、などです。

私は絶対に請求するべきだと思いますが、未払い残業代があって気になっているのであれば、退職前に準備しておきたいことの1つです。
ただ、これを1人でやるのは大変なので、弁護士や退職するときに請求するのであれば、退職代行に依頼するという方が良いです。

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