どうも、自称【退職コーディネーター】で元労務担当のhiroshiです。
このブログでは、退職に特化した情報をお届けしております。
法律はなんとなく知っているけど、よく理解していなかったり、少し勘違いをしていたりということはありませんか?
私も20代のころは法律の知識が全然なく「あの時は、あれをやって退職しておけばよかった」と後悔しています。
そんな後悔をしてほしくは無いので、退職や労働に関する法律知識を紹介します。
まずは最新情報からです。
2023年4月から残業代が変ります!
今までの残業代は一律で25%の割増賃金でしたが、2023年4月からは中小企業(日本企業の約99.7%)の月60時間を超える残業代が50%の割増賃金にになります。
例えば、時給1500円なら、月60時間までの残業代は今までと同じで1875円ですが、それを超えたところからは50%割り増しで2250円となります。
さらに、それが深夜残業の場合は深夜割増25%がプラスされ、75%割り増しになり、2625円です。
つまり、残業代は最大で75%割り増しになるということです。
今後、残業代が未払いだった場合は、請求できる金額が増えるということも考えられますので、覚えておいた方が良いです。
また、現在働いている会社でも、残業代がちゃんと計算されているかを確認するためにも、知っておかなければ、知らずに未払い残業代が発生することにもなります。
法律と就業規則
法律は国民のルールですが、就業規則はその会社のルールです。
法律は就業規則よりも優先されるので、もしも、会社の就業規則が法律に違反しているものであれば、法律の方が優先され、その就業規則については無効になります。
ブラック企業のほとんどは、この就業規則や36協定などの労使協定を悪用する企業が多いです。
法律を知っておかなければ、こういったブラック企業に就職してしまったときに対処できなくなってしまします。
上手く対処できないと、早期退職や自分の労働力が無駄に搾取されるだけの生活になり、精神的に追い詰められ、最後は心の病に侵されてしまう、というのが最近の日本では多いように思います。
日本の法律学習
こういった労働に関する法律知識は、義務教育の中では教えないという日本の教育は果たして良いのでしょうか。
学校を卒業して社会に出ると、かなりの人は労働者としてどこかの企業に就職するという現実があるのに、なぜそれを教えないのでしょうか。
高校ですら、法律に関してはほとんど教えないという日本の教育は本当に間違っていないのでしょうか。
大学の法学部などでやっと学ぶというレベルでは、法律を知らないで成人するという人の割合が圧倒的に多いわけです。
貧しい家庭で育った場合は、法律を学ぶことなんてしないわけで、法律を知らないまま大人になり、知らないまま子供を産み、育てるので、また法律を知らない人ができるわけです。
そりゃあ、法律を知らない人は、選挙もいかないし、悪さもするし、犯罪行為だってするわけですよ。
だって、法律を教えてもらってないからね。
義務教育でやる法律知識なんて、三権分立とか国民の三大義務とかそのくらいでしょ。
難しい数学の微分積分とか、音楽、美術、図工の芸術分野の授業を減らして、法律分野の授業を体育などと同じくらいの時間数を教えなければいけないと感じます。
少なくとも中学校教育では、労働基準法などの労働に関する法律は学ぶべきです。
理由は明らかで、15歳(高校生)からアルバイトが可能になるからです。
最近でも、高校生がキャバクラで働いていたという報道がありましたが、それって法律知識があったら、やらなかったかもしれないことなんじゃないでしょうか。
労働基準法
基本的には、労働者のための法律です。
どうしても、経営者と労働者では、労働者の方が立場は弱くなってしまします。
それを、法律で規制し、経営者が労働者を虐げるというようなことを防ぐ目的で作られている法律です。
労働基準法では、労働者の労働時間、休憩、休日、年次有給休暇、残業など、労働者が不利にならないように、事細かに決まっています。
中には、罰則付きの法律もあるため、経営者は必ず労働基準法を守って、労働者を雇わないといけないわけです。
退職に関する法律
実は、退職に関することは労働基準法ではなく民法に定めがあります。
それがこちらです。↓
民法第627条第1項の規定により退職の申出をした日から起算して原則として14日を経過したときは、退職となります。
これは、期間の定めのない雇用、つまり正社員として雇われている一般的な正社員の場合で、労働者はいつでも退職を申し出ることができます。
ただし、期間の定めのある雇用、契約社員などの場合は別で、雇用契約を結んでから1年以内は、やむを得ない事情がないかぎり退職できません。
つまり、いきなり「今日で辞めます」ということはできません。
しかし、正社員ならば10日以上の有休があれば、即日有休の申請をして「明日から出勤しない」ということは出来ます。
実質的には「今日で辞める(今日を最終出勤日にする)」ことができます。
有休(年次有給休暇)は労働基準法で保障された労働者の権利ですので、会社側で退職する人に対しては拒否できません。
有休に関しての詳細は、こちら↓の記事で紹介しています。
なぜ、退職に関する法律だけ民法に定められているのか調べたことはありませんが、おそらく労働契約という契約ごとの一種であるからだと思われます。
労働基準監督署
ウィキペディアによると、
労働基準法その他の労働者保護法規に基づいて事業場に対する監督及び労災保険の給付、労働基準法違反の取締捜査、労働安全衛生法等による免許の選任、就業規則の検認、届けを行う厚生労働省の出先機関です。
略称は労基署、労基、監督署です。
労働基準監督署は都道府県労働局の指揮監督を受け、都道府県労働局は主に厚生労働省の内部部局である労働基準局の指揮監督を受けます。
労基署の基本的な業務は、事業者等の監督が主です。
しかし、実質的には職員に対して事業者数の方が圧倒的に多いので、監督しきれません。
その為、実際には労働者からの内部告発や、退職者からの通報などによって、労基の捜査が始まることの方が多いようです。
もしも、自分が勤務している会社に労基の監査などが入った場合は、何かしらの内部告発や退職者による通報があったと考えてよいでしょう。
労使協定
これは、事業者とその労働者の間であらかじめ取り交わす、書面による協定のことです。
言い換えると、労働基準法などの法律で定められたことでも、労使協定を結べば可能になるということです。
労使協定は、「労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者」と事業者との協定です。
ただし、事業者は労使協定の書面を労働者一人一人と交わすことが必要になります。
代表的な例で言うと「36協定(さぶろくきょうてい)」があります。
これは、残業時間の取り決めで、残業や休日出勤を従業員にさせるためには、この協定を結んでいる必要があります。
一般的には、雇用契約と同時にこの36協定を結びます。
逆に言えば、この36協定を結んでいない会社は、従業員を残業や休日出勤をさせることができません。
残業というのは1日8時間、週40時間を超えるの労働です。
また、給与からの天引きも、社会保険と所得税・住民税以外は労使協定を結ぶ必要があります。
給与からは会社で勝手に天引きは出来ませんし、やってはいけない法律になっています。
【まとめ】退職前に知っておきたい法律知識【労働基準法・労使協定】
退職に関する法律は民法で定められています。
労働基準法は、労働者として働くなら最低限把握しておきたい法律の1つです。
労使協定では、特に36協定の内容は労働者なら誰しも取り交わしているはずなので、自分がどういう協定を結んでいるのか把握しておきたいですね。
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